「B哲仙境録」 霊友会、立正佼成会、世界救世教、真光、生長の家、PL教団、天理教



B級哲学仙境論


新興宗教とオウム


 




新興宗教とオウム ②




新興宗教の分類



新興宗教とは

伝統的な仏教が「葬式仏教」などと揶揄されるように

伝統的な宗教が、形骸化し

世の中のニーズに応えられなくなったことから

誕生してきたものと言えるでしょう




新興宗教の分類としては


仏教系、神道というか神様系、両者混合系 というように

「本尊」(拝む対象)によって分けることができます




仏教系では、じつはほとんどが

日蓮系〔創価学会、立正佼成会、霊友会など〕であり

念仏や禅宗系統のこれといった教団は存在しません




密教系では、真如苑が大きいです


真如苑は、如霊から霊能者を通して指導をうける

霊能指導を中心とした教団です



伊藤真乗〔しんじょう。1906(明治39)~89(平成元)〕が

妻で霊能者の友司(ともじ)の霊示により

立照閣という教団を設立したのに始まるといいます



その後、伊藤は京都の醍醐寺で修行し

真言宗醍醐派立川不動尊教会というのを設立

のち真言宗から離れ

まこと教団を設立、これがのちに真如苑になったようです





他に、密教系の著名な教団としては

「阿含(あごん)宗」というのがあります


教祖は、桐山靖雄〔せいゆう・1921(大正10)~2016(平成28)〕

という人で


オウム真理教の教祖 麻原死刑囚はここで学んでいます


パーリ語経典(原始経典)の漢訳である

阿含経に説かれている

輪廻(りんね)からの解脱を得るには

密教の即身成仏が必要であるなどとと説く教団です



本山本殿は、釈迦山大菩提寺(京都市山科区)という大寺院で

スリランカから将来したという真

正仏舎利(釈迦の遺骨)を本尊として祀るそうです



囲碁の棋戦(きせん・大会のこと)の

「阿含、桐山杯」(優勝賞金1000万、準優勝賞金500万)の決勝戦は

この寺の庭園にある蝸牛庵(かぎゅうあん)で行われます



また、阿含の星まつりは有名です


〔 阿含の星まつりは毎年2月

柴燈護摩(さいとうごま)という巨大な護摩を二つ焚く

空にもうもうと立ち上る巨大な煙のうねりが壮観で

多くの見物人を集めている


昼間に行われる祭で、星まつりの名は

大菩提寺には、六十星宿守護神将という

人の運命を司る神々が祀られていて

護摩によって人の運命を救済することを意味するという 〕







形態的な分類としては

オカルト系、先祖供養系、病気治し系

人生訓系、神がかり教祖系 などに分けられます


むろん一つの宗教において、オカルト、病気治しなど

これらの要素をいくつか持ち合わせていますが


とりわけ顕著にみられるものから、分類が可能である

ということです



オカルト系の代表が

幸福の科学です オウムもこれです







先祖供養系
(霊友会と立正佼成会)




先祖供養系には

霊友会とその分派がよく知られています


これらは、日蓮仏法と先祖崇拝をむすびつけたものです



霊友会の分派で最大なのが

「立正佼成会」で、現在では霊友会より巨大です



ちなみに

先祖供養と先祖崇拝とは全く別のものです


先祖供養というのは

死者への感謝や敬意や慕う気持ちから行われるもので

これは世界全ての民族に共通する人として当然の行為です



これに対して先祖崇拝とは

先祖が生者に禍福をもたらすとして

畏(おそ)れたり、祀ったりする信仰です



幸・不幸の原因を先祖の供養に求め

「先祖の祀り方が間違っている」とか

「先祖への供養が足りない」とか

「あなたが不幸なのは

先祖が苦しんでいて、成仏を求めているからだ」とか

教えるものです



またその解決策としては

浄霊したり、位牌に向かって念仏(南無阿弥陀仏)や

題目(南無妙法蓮華経)を唱えさせたり


墓や仏壇を高価なものに取り替えさせたりするのです


占い師の細木数子という人もこれに分類される存在です





キリスト教の世界には

先祖や死者が、生者の運命を左右・決定するという考えはありません


人間の運命を含むあらゆることは

全て神の御心(みこころ)によるからです


人間に自由意志が一部許されている(カトリック)

いない(プロテスタント)に関わらずです



先祖崇拝の否定は、キリスト教ばかりではありません


釈迦は、幸不幸の原因を

自己に内在する因果の法則にもとめる

自分の教え(仏教)を「内道」(ないどう)

としたのに対し


幸不幸の因を神や先祖といった外にもとめる宗教

仏教以外の教えを「外道」(げどう)と呼んで否定しています




日本人の心情として

先祖に守護や幸福を祈るのはふつうのことであり

決して悪いことではないでしょう


ところがこのような

日本人の心情につけ込み


家系図を示すなどして

先祖供養が足りないから不幸になったなどといっては


金銭をまきあげる宗教家、霊能者、占い師が後を絶たないわけです




ちなみに「霊友会」の初代会長 小谷美喜は

婦人たちを使って街頭で集めた赤い羽根の募金を横領し

検挙されています(昭和28年)






霊友会系の根本は

先祖が成仏できずに苦しんでいると、成仏を求めて子孫に知らせてくる

これが子孫の不幸となってあらわれくるというものです


すなわち先祖の苦しみ・不幸はそのまま子孫の苦しみ・不幸であり

不幸とは、不幸な先祖が子孫に与えるものということになります



そこで、夫と妻の両家の先祖の総戒名

〔 霊友会では、諦生院法道慈善施●●●徳起菩提心と書かれたもので

●●●のところは、左に夫の方の姓の○○家と書き

右に妻の方の姓の○○家と書く〕

をつけて祀り


また、夫と妻の知り得るかぎりの先祖に戒名をつけ、過去帳に記して

日々、題目を上げて(南無妙法蓮華経を唱えて)供養するといいます



さらに子孫を苦しめている原因が

どの先祖にあるのかを霊能力で特定する

などの霊能指導を盛んに行うそうです


霊界との交信と称した水行もあるといいます






霊友会は、創始者は

久保角太郎〔明治25~昭和19。霊友会初代理事長〕と

久保の兄の妻である 小谷美喜〔明治34~71。霊友会初代会長〕です


霊友会は、都市下層民に広まり

昭和9年に信徒7000人であったのが

昭和16年には84万人に成長


この間 孝道教団(昭11)、立正佼成会(昭13)、恩親会(昭13)が分離独立


大戦後の混乱期は

生活苦にあえぐ主婦たちの心をつかんで拡大したそうです



また脱税の摘発などから、妙智会教団(昭25)、法師会教団(昭25)

仏所護念教団(昭25)などが分離し

分派教団は合計25教団にもなるといいます



2代目会長 久保継成(角太郎の次男)は

いんなあとりっぷ(人間の心に帰ろう)という

和製英語の標語を掲げたキャンペーンをしているようです







立正佼成会は

昭和13年に霊友会の一支部が脱退、独立したことに始まります


庭野日敬(にわのにっきょう・明治39~平成11。初代会長)

を開祖とし


女性霊能者の長沼妙佼(明治22~昭和32。初代副会長)

を脇祖としています



当初は、総戒名の先祖供養と、日敬の姓名判断や方位

妙佼の霊能指導によって教勢を拡大したそうです



仏教の教義を充実させたのは、妙佼没後のこととされ


創価学会の折伏経典には


【 発足当時には、毘沙門天や、真言宗の大日如来などを本尊にしてい


その後〔中心に南無妙法蓮華経 日敬と記し

左に異体同心、右に天壌無窮と記したもの〕

を本尊としたが


あまりデタラメなのに気づいたのか

これを本部や支部の旗にしてしまい

本部道場には曼荼羅(日蓮の図顕した曼荼羅)をかかげるようになった


それも最近、妙佼副会長の死をチャンスに改革を思い立ったらしく

さる昭和三十三年の正月に、会長庭野日敬は「真実開顕の年」を宣言した


すなわち「久遠実成大恩教主釈迦牟尼世尊」が本尊である

といいだしたのである


この本尊のすりかえのいいわけがおもしろい


「本会におきましては、すでに十四年間

あえて真実の御本尊の発表をさしひかえて

今日まで大曼荼羅(教団独自の曼荼羅)を正面に奉安し

これが本尊であるかのごとき印象を外来者に与えてまいりました


また、文部省や東京都への届け出にさえも

この曼荼羅をもって本尊とするむねを申告していたのであります


なぜこのような一見矛盾するがごとき

届け出をせねばならなかったかと申しますと


ここに凡解(ぼんげ)では

ちょっと理解しがたいような深い仏知見にもとづき

お手配があったのであります」


(昭和三十三年一月五日佼成新聞日敬談話より)



学会(創価学会)から本尊を責められてろうばいし

身延あたりから雇ってきた教学陣に作り替えさせたのだろうが

これなども、いままで信者をだましてきた裏書きのようなもので

法盗人の正体を暴露したものといえよう 】

とあります




つまり当初は、日蓮とは無縁なデタラメな本尊を祀っていたが

日蓮の曼荼羅を祀るようになったということです



なお、立正佼成会では、この他

虚空蔵菩薩、八幡大菩薩、七面大明神、聖観音

十一面観音なども祀っているようです




立正佼成会では、昭和33年までを

信徒の願望成就を中心とした「方便時代」

それ以後は、教義教育を中心とした「真実顕現時代」


さらに昭和52年以降は

明るい社会づくりと他宗教との対話協力などの「普門示現時代」とし

諸宗教との対話をかかげ


毎年、教団幹部による伊勢神宮参拝などを行っているといいます



日敬は1965年(昭和40)に

第2ヴァチカン公会議でローマ法王 パウルス6世に会見し

70年には第1回世界宗教者平和会議の共同議長をつとめています







病気治し系 (世界救世教と真光)



病気治し系では


世界救世教(旧称 世界メシア教)と

その分派の真光が代表と言えます



世界救世教は、≪手かざし≫の元祖で、かつては隆盛を誇り

地上天国のひな型と称し

静岡県の熱海(あたみ)に瑞雲郷(ずいうんきょう)

神奈川県の箱根に神仙郷を建設しました


また「世界真光(まひかり)文明教団」など多くの分派が出ています


「世界真光文明教団」からも

「崇教真光(すうきょうまひかり)」が生まれています




世界救済教の教祖

岡田茂吉〔もきち・明治15~昭和30〕は


「自分の腹中には、直径2寸(約6㎝)の観音菩薩と

同様の霊力をもつ光り玉が存在する」


「だから手のひらから観音の霊波が放射され

患者は浄霊され、万病が治る」

と言っていたそうです



また、岡田からおひかりを与えられた者は

誰でも手かざしによる浄霊ができると教えたそうで


岡田は救世主、生き神として

信者からお光(ひかり)様とか

明主(めいしゅ・メシア)と呼ばれたといいます


さらに岡田は「自分が霊波を海に放射すると大漁となり

農作物に放射すると農薬がいらなくなる」

などと語ったとされます



それから、観音菩薩を釈迦の師匠としたり

宇宙の主神を大光明真神(みろくおおかみ)として

みろくの世の建設を主張したり


人間の運命は霊により決まると主張し

その霊界を上中下段合計181階級に分けるなど

様々な教義をつくったといいいます



「霊身が下位にあるときは努力しても幸福になれない

神を信じ霊を清めて霊界の階級を上げよ」と説いたとされます






世界真光文明教団は

岡田光玉〔かうたま・明治34~昭和49〕が


神の啓示をうけて設立した

L・H陽光子友乃会に始まり


昭和37年に「火の洗礼の第1年である」という啓示をうけて

世界真光文明教団と改称したといいます



火の洗礼という一種の終末論を説き

物質文明のなか神をおろそかした人類を

神が天変地異によって浄化する


火の洗礼から逃れるすべが

真光(まひかり)の業と呼ぶ手かざしによる浄霊であり


教団の目的は次の文明に生き残る信者(たねびと)

を用意することであると主張します




岡田光玉が没すると、関口栄(さかえ)と

光玉の養女である岡田恵珠(けいしゅ)が

後継者を主張して裁判で争い、関口が勝利、2代目となります


恵珠は、崇教真光(すうきょうまひかり)を設立しています


崇教真光の教義は、世界真光文明教団とほとんど変わらず

やはり火の洗礼を説いています





この他、世界救世教や真光系でなくても

ペンダントを購入すると

教祖のエネルギーが届いて、手かざしができるようになるとか


一定期間セミナーに参加すれば

手かざしの業が可能とかいって

高額な金銭をぼったくっている集団が、たくさん存在するようです







生かされて生きる系 (生長の家)



一種の唯心思想を根本としている神様系の教団に

「生長の家」があります


かつてはかなりの勢力を誇ったようです



教祖の谷口雅春〔明治26~昭和60〕は

「本来、物質は存在しない

一切は念(こころ)のあらわれである

実相〔じっそう・実なる姿。真理〕を知れ」

という神の啓示を受けたと主張しています



そして「人間は本来、神の子で、もともと病気など存在しない」


「病気が現象としてあらわれるのは、その人の信念に間違えがあり

その信念が肉体となって病気としてあらわれているからだ」


「貧乏も病気も心に思うから存在するのであり

心に健康を思えば健康になり

神から無限の宝を与えられていることを思えば貧しさはなくなる」

などと唱えたとされます



生長の家では、人間の実相は神の子であるという立場から

≪生老病死に苦しむ人間、輪廻転生をつづける人間は実在しない

人間の実相は、無限の愛、無限の知恵、無限の自由など

あらゆる善きものにみちた永遠不滅の生命である≫

と説きます




ニューソート(新思考)という

19世紀アメリカ合衆国で始まった

キリスト教の一種の異端的思想があります


ニューソートとは

聖書をこれまでとは違う立場から解釈し


「人間の生命や意識は宇宙と繋がっている」

「原罪は存在せず、あらゆる人々がキリストの力を内包している」

「人間は内なる『神』を顕現し、無限の発展している」

「正統的宗教哲学は数百年間過ちを犯し続けてきた」

といった考えに立つとされます



谷口は、このニューソートを、光明思想と訳し

生長の家の教義に取り入れたとされます



なおニューソートは

「思いは現実になる」(思考の傾向性が、健康や経済状態として現実となる)

という考え=積極思考、ポジティブ・シンキング、引き寄せの法則

を含むことから


現代の自己啓発本や、成功哲学書・ビジネス書の源流となり

日本人にも大きな影響を与えてきたとされます




また、谷口は「戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教行事」と唱え

戦闘機まで献納し、教団をあげて戦争に協力したことでも知られています




それから「万教帰一」(ばんきょうきいつ)といい、

仏教、キリスト教、神道など宗教宗派は様々あるが、その説く真理は同じで

その究極を生長の家が説いているとしています



総本山として、長崎県西海市に 龍宮住吉本宮〔祭神は住吉大神〕

別格本山として、京都府宇治市に

宝蔵神社〔祭神は生長の家大神、大国主大神、観世音菩薩

地蔵大菩薩、阿弥陀如来〕 を持つそうです





行法としては「神想観」といって

正座し合掌して、神に生かされていること

神と一体であることを実感するが重視されていて


この他、自分の悪を紙に書き

これを本山などで浄めた炎で焼却し

本人の心を浄める「浄心行」


「甘露の法雨」〔かんろのほうう・

谷口が神の啓示を受けて著した一種の自由詩

内容は、人間の実相は神の子で完全円満である

物質や病気などは実在しないなどで

神、霊、物質、実在、智慧、無明(まよい)

罪、人間の各章に分かれている〕の写経などがあるといいます







倫理・人生訓系 (PL教団)



倫理・人生訓系としては

神律を説くPL教団が代表と言えます



PL教団(パーフェクト・リバティー教団)も

病気治しで大きくなった宗教です


PLの病気治しは"みがわり"と呼ばれています

これは一種の贖罪(しょくざい)信仰と言えます


みかわりとは、会員が病気の苦痛のみがわりを願うと

教祖や祐祖(教祖の下に教師がいるが、教師の重役が祐祖)が

身にひきとってくれるというもので

教師や祐祖の身体に熱とか咳とか痰(たん)など

わずかな苦痛となって現れるというものです



「憎しみが病気となって顕れるので、まずは自分を反省しなさい」

などという話はよくありますが


PL教団では人の幸、不幸は、

己表現の偏った傾向に対する警告であるとし

その原因を心癖(こころぐせ・物のの見方や考え方のくせ)

であると説きます



そしてこの心癖を正すには、神の道に即した生活をせよと教え

神律(しんりつ)と呼ぶ二十一カ条を説いています


これが教団の中心教義です


その1が有名な、≪人生は芸術である≫ です


以下、2 人の一生は自己表現  3 自己は神の表現

4 表現せねば悩みがある  5 感情に走ると自己を失う

6 自我を捨てたところに汝(なんじ)がある

・・・・と続きます

とくに4番までがPL独自の特徴が出ています




以下

7、一切は相対で存在する  8、目のようにあきらかに生きよ

9、人は平等  10、自他を祝福せよ  11、一切を神に依ること

12、名に因(よ)って道がある  13、男性には男性、女性には女性の道がある


14、世界平和の為の一切である  15、一切は鏡  16、一切は進歩発展する

17、中心を把握せよ  18、つねに善悪の岐路に立っている

19、悟る即(そのまま)立つ  20、物心両全の境に生きよ

21、真の自由に生きよ です




他に、信仰生活の二十一カ条もあります


1、すること言うことに誠をこめ、心を行き届かして暮らす

2、人や物事や天候の不足を思わず創意工夫の精神を忘れない

3、人や物事に感謝して暮らす

4、人のためをはかり、みささげの心を忘れない


5、何人(なにびと)何事にも腹を立てない

6、考えにとらわれず強情にならない

7、気ばかり急いだり、心配しすぎたり、悲観しない


8、欲心を出さない  9、ずるい心を出さない  10、夫婦仲良く暮らす

11、子供は神の子と思い世のため人のために役立つように育てる

また子供は親の鏡と悟り、感情の満足に走り情におぼれるような育て方はしない


12、朝は気持ちよく起きる

13、食べ物の不足を思ったり、好き嫌い、食べ過ぎ飲み過ぎ、むらぐいはしない

14、怠け心は出さない

また仕事で不足を思ったり、人のことを気にかけ不足を思わない


15、何事も度が過ぎないようにする  16、自慢や偉そうにする心を出さない

17、人が気持ちを悪くすることを言わない  18、人をそまつにしない


19、宝生(ほうしょう・教団への献金)する心を忘れない

20、感謝、新友を授かることに努める

21、神の恵みやおしえおや(代々の教祖)の恵みを忘れない




それから、PL教団では

神は全てを包含する絶対神で一つしかないと

一神教的立場をとりますが

神の名は述べていません



また「神と人間の関係は全体と一部である

死とは全体に溶け込むことであり

人は肉体が滅んでも永遠不滅の存在である」

という一元論や


「おしえおや(教祖)は全人類の進むべき道を無限に説く

代々のおしえおやは、神業により

その時代に適した教義を解き明かしてゆける」

などという教祖主義も特徴です





倫理研究所は、PL教団の前身

戦前の「ひとのみち教団」の流れを汲みます


実践倫理宏正会は、倫理研究所の分派です


ともに社団法人で活動していますが宗教団体です







神がかり教祖系 (天理教)



神がかり教祖系の代表が

天理教です


天理教は江戸時代後期に

農婦の中山みきが

「神の社(やしろ・自らに神を宿し神意を伝達する者)になれ」

との啓示(おつげ)を受けたのに始まります


みきに依りついたのは

天理王命(てんりおうのみこと)なる万物に生命を授けた

「親神」(おやがみ・元の神。実(じつ)の神)で

人間は、親神が≪陽気ぐらしをさせたい≫

とおぼしめして創造されたとしています



そこで八つの悪心

(おしい。ほしい。憎い。可愛い。怨み。腹立ち。欲。傲慢)

を捨てて


神に従い、陽気ぐらしをすることが教義の根本で

それが人間の究極の目的であるとされています




儀礼の中心は

おさずけと称する病人の身体をさする病気治しの祈祷と

みきが作ったみかぐらうた(神の言葉と神への祈りや呼びかけがまじった歌)

を歌いながら手振りをつけて踊り祈るおつとめ(かぐらづとめ)だそうです



この他

≪死は身体を神にお返しすることで

生まれかわるとは、魂と心が新しい身体を神から借りることである≫とか


≪心がけがれると病気や不幸として現れる≫とか

≪どんな苦しみも親神の心一つであるから耐えなさい≫とか


≪人間の心が正しくなったとき、神は甘露台(かんろだい)を作り

天から生命の水を注ぎ、150年の寿命を全うさせてくれる≫とか


≪人間は全て神の子で、人間同士は皆兄弟である≫

などの教義を持ちます





それからこの教団は「神話」を持ちます


天理教の神話によると


≪ 神が、人魚(ぎいぎょ)を種子

白蛇(み)を苗代(なわしろ・種子をまいて苗に育てる田)


鯱(しゃち)と、亀と、うなぎと、かれいと、黒蛇(くろぐつな)と、ふぐの

6つの動物を、ひな型(人間の諸器官)として選び


ぎいぎょとみを仲立ちとして

6つの動物と、どじょう(魂)から、99万9999人の人間を創造した


この人間は5分(1.5㎝)の大きさで

何度も生まれ変わり99万9999年をかけて現在の人類へと成長した


また同時に、山や海などの自然界も出来上がっていき

人間が神の真理を受け入れるのに十分な能力に成長したとき

神がいよいよ究極の真理を人類に伝えることにした ≫


これがみきへの神がかりであり、天理教の誕生である そうです




また、本部のある奈良県天理市を

親神が人間世界を創造した聖地としていて


本部の神殿中央は、人間世界創造の場として

「元のおぢば」と称され四方から礼拝できる形となっているらしく

教祖のみきは、親神と一体化した神的存在として

おぢばに今も生き続けているそうです




それから親神である天理王命を揶揄する言葉として

「屋敷を払うて田売りたまえ天貧乏(てんびんぼう)の命」というのがあって

それだけ信者に多額の献金を、おつくしと称して収めさせてきたのでしょう







天理教より分立したものには

大道教(1900年)、ほんみち(1925年)、モラロジー研究所(1926年)

世界心道教(1944年)、日月神一条(1947年)、神光苑(1952年)などがあり


ほんみちから、修養団捧誠会(1941年)、ほんぶしん(1962年)が

分立しています




ほんみちは

天理教山口県教会長の大西愛治郎(1881~1958)が設立しています


天理教の教祖である中山みきは、自分の定命を数え115歳とし

それまで生きると語っていましたが、数え90歳で没しました


このため、みきの定命の年(1912年)の翌年に

新しい天啓者(神のおつげをうける者)が出現するという信仰が

信者の間に広まっていったといいます


大西は、この年に自分に啓示があったと主張し

自分は生き神、かんろだい(甘露台)であると唱え

国家神道に従属する教団のあり方を批判したそうです


このために異端者として、天理教を追放されたといいます



大西は、天理研究会を発足

教義を解説した「研究資料」を配布

天皇に日本を統治する資格はないとし

かんろだいによる神政を主張したそうです


これにより天皇への不敬罪で弾圧、信徒500名が検挙されています



その後、大西は精神病者として無罪となり、教団は天理本道と改称


しかしまたも同様の小冊子を配布し

不敬罪、治安維持法違反で弾圧をうけて解散させられたそうです


大戦後、大西は釈放され教団を再建し

ほんみち本部、ほんみちと改称して現在に至るといいます





モラロジー研究所(〔道徳科学研究所)は

天照、孔子、釈迦、キリスト、ソクラテスの五聖人の説く道徳律を

現代の科学に照らして体系化したという最高道徳を唱え

自我没却、慈悲、寛大、自己反省、忠誠努力して欲求せず

などと教えています


教祖の広池千九郎は、宗教ではないと主張し

公益財団法人の形態にしています




新興宗教とオウム ③ 幸福の科学GLA




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